「YOASOBI」を素直に好きになれない理由

レビュー

気が付いた時には、音楽シーンを席巻していた「YOASOBI」。

そのちょっと前くらいから「yonige」とか「ずっと真夜中でいいのに」とか、『やたら「夜」が付く印象があるな~』程度で、あまりちゃんと聴いていなかった。
(時系列もジャンルも若干ずれているので、結構疎くなってる)

音楽を掘る時は掘るのだけど、ここ数年は音楽を聴くこと自体が減ったり、米津とアニソンとリトグリで満足だった。

まだ自分の音楽遍歴を記事にしていないので、前置きとして簡単に書くとこんな感じ。

  • 古くは60年代洋ロックから (有名どころはある程度)
  • 始まりはWANDS、ミスチルなどのJ-POP・ロック
  • アイドル系も一応聴く (乃木坂あたりで終了)
  • とりあえず iTunesには1万曲 (聴いてないのもある)

と、このような状態なのだが、「YOASOBI」を改めて聴いてみて、イマイチ好きにはなれなかった。
それは一体なぜなのか、を言語化してみた。

素直に好きになれない違和感は何なのか

ikuraの歌唱力も素晴らしい、ayaseの作曲もキャッチ―だ。
でも何か違和感があった。

その違和感の正体を掴むために少し調べて、結構感覚的なことになるのでうまく表現できるか分からないが、一言で言うと「ボカロ曲のカバー」のように感じたからだった。

それぞれのバックボーンを調べてみたら、違和感の正体が分かった

最後まで結論を書かないのは分かりづらいと思ったので、一言で書いたが、それはそれで誤解を招きそうなので、そう思った経緯を書いてみる。

ayaseはもともとボカロP出身らしく(と言ってもめちゃ最近)、初期の頃は違えど直近の曲を聴いた第一印象は「はるまきごはん」だった。
(正直初音ミク自体も「マジカルミライ2017」くらいで途切れて、その後少しまふまふが有名になった時に少しかじった程度だけれど)

YouTubeに投稿する以前の音楽活動は調べてないが、この短期間で心を掴んでしまうわけなので、それなりに土台があるのだろうと思う。

それで人間のボーカルに歌わせてみたのが「YOASOBI」だった。

一方ikuraは、アコギ片手に引き語るようなタイプで、当然ながら昔から歌唱力は抜群だ。
ここでようやく違和感の正体が分かった。

ikuraは音域も広く、複雑なメロディーも正確に歌うことが出来るので、ayaseの作る曲をカバーしているような、そんな印象を受けた。

本人は感情を乗せているのだと思うけれど、盛り上がりがかなりの高音なので個人的にはイマイチ声に表情を感じにくかった。(ikuraの過去の作品と聴き比べてみてほしい)

もちろん、Perfumeのような「ボーカロイドに寄せる音楽」もあるわけだし、その存在自体を否定するわけではないが、ayaseとikuraが始めたばかりで、ikuraの「歌唱の巧さ」だけが掬い取られているような、そんな印象を個人的には受けた。

逆にこれからどうなるのかが楽しみになった

音楽の創り手も聴き手もそれぞれ趣味嗜好がある中で、個人的にボーカルは「曲の顔」だと思っているので、ikuraの本来の歌い方でいて欲しい。
(僕の音楽の根本が「ポップス」のおかげで、インストやボーカルの声が加工されている曲は苦手だ)

SNSで短期間で爆発的に売れてしまうネット社会は良し悪しあるだろうが、これからの「YOASOBI」が
そのままボカロ曲のカバー路線(あくまで僕視点)でいって、ikura個人の活動を続けるのか、それともayaseが作曲のテイストを変えていくのか、はたまた本当に「夜遊び」なのか、これからも注目していきたいと思う。

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